nin coast day2

NINのスタジオコースト公演の二日目に行って参りました。


初日と同様に、ライブメンバーのアレッサンドロ・コルティーニによるアンビエント・インスト・ライブから始まりました。ほぼ同じ曲をプレイしているようでしたが、今日の方が音量、ノイズともに積極的に感じられました。初日には石地蔵のようにとまどっていた観客も、結構ノリが良い感じで聞いていました。
そして前日と違うのが、明らかにスモークの量が増加していました。もうね、ブロッケンの妖怪のようにモクモクで(ほとんどフジのシスターズ・オブ・マーシー状態だな)、ステージもメンバーも霞む勢いなの。そのスモークの中を、見慣れたシルエットが歓声と共にあらわれました。
私は初来日からNINのライブに長く参加しておりますが、今回は、今までの中でも際立って面白いライブだったのではないかと思います。その理由は、この変則的なセットリストです。
http://www.setlist.fm/setlist/nine-inch-nails/2014/shinkiba-studio-coast-tokyo-japan-3bc2bc2c.html

Somewhat Damaged
1,000,000
Letting You
Terrible Lie
March of the Pigs
Piggy
Reptile
The Frail
The Wretched
Vessel
Survivalism
Wish
31 Ghosts IV
Burn
Gave Up
The Hand That Feeds
Head Like a Hole
Encore:
Ice Age(HTDA w/M.Maandig)
BBB(HTDA w/M.Maandig)
Hurt

前回のインタビューで、「Tensionツアーの、8名編成のフェス仕様のメンバーから、4名編成に変更し、楽曲もエレクトロニック・アグレッシブ傾向の強いライブになる」と話していましたが、まさにその通りになりました。今回、あえて新譜Hesitation Marksからは選曲せず、The FragileとYear Zeroからの選曲が目立つセットとなりました。また、あえて生ドラムを使用しない(テープ使用を含む)楽曲が多くみられました。
Ghostsでは、以前のフェスツアーで、セットの中盤にLEDスクリーンを降ろして、その背後でインストのGhostsの楽曲を演奏する例がありましたが、今回はセットチェンジ的にノイジーなギターソロのある曲を選んだようです。
ご存じのとおり、Ghostsはクリエィティブ・コモンズで楽曲が公開されているため、色々な映画の予告編などのメディアで聞きなれた方も多いと思います。GhostsはのちのHow To Destroy Angelsなどにも通じる、アンビエント系のエレクトロニックで、アーティスト側の直販という独自の販売方法も話題になりました。
今期のツアーの開始から2日目ですが、昨日と比べると、様々な点でレベルアップしていました。曲間のつなぎのスムーズさ、ノイジーな轟音の中でもきちんと聞き取れるヴォーカル(昨日は一部聞きにくい場面もありました)、そして一部の曲を除き、演奏中に袖のスタッフにダメ出しをするシーンも少なかったと思います。
また、2日目ということで、ファンのノリも大変によく、トレント様がマイクを向けると前方のモッシュゾーンから大合唱が起こり、トレント様も満足そうに笑顔を見せていました。MCで「今日初めてで、昨日来なかった人どのくらいいる?」「じゃあ昨日も今日も来た人は何人くらいいる?」と聞かれて全部に手を挙げていたのはご愛嬌ですが。
本日の印象は、個人的には「攻め」の選曲だったと思います。なかでもYear Zeroのノイジーな楽曲”Vessel”での後半の拷問のようなノイズの洪水は、あれは実際にライブで体験してみないとわかりませんね。まさに湾岸戦争の「音楽による拷問」にうってつけの曲ではないでしょうか。うれしいけど。
また、The FrailからThe Wretchedという、TFからの鉄板の進行は、古参のファンには涙ものでした。うおおおお聞きたかったよ!これだよ!これなんだよ!
そしてお気づきのように、昨日も本日もクローサーがありません。ええ、獣のようにファックしていません、フィストファックは楽しく合唱しているのに。これは一体どういう事なんでしょうか?
と思ったら、後半にどえらい隠し玉がありました。HLAHのイントロに、「えっ早すぎない?」と慌てるファンに、演奏後にMCで話しかけました。
「この間までちょっと違うバンドをやってて、国外では初めての演奏になるけど・・・云々」
えっ?えっ何?
そして袖からロングドレスの女性が現れ、会場は悲鳴に包まれました。
黒髪に黒いドレスのマリクイーンがマイクを握り、思いつめたような表情で歌いだします。
How To Destroy Angelsの”Ice Age”です。NINとは明らかに曲調の違う、女性ヴォーカルの柔らかな雰囲気に包まれました。神秘的なソプラノに、ファンはうっとりと聞き惚れます。
演奏後、暗転する中で、トレント様がマリクイーンにそっとキスをしていたようです。
そして2曲目はアグレッシブな”BBB”です。マリクイーンのシャウトは、ビョークのように個性的でした。
通常、HTDAのライブでは、ロブ・シェリダン(ビジュアル担当)やアッティカス(共同作曲者)らが参加して行いますが、今回はアイランが前方でチェロを演奏していました。まさにNINでは「何でもこなせないとやっていけない」のですね。思えば君は、ドラムからピアノに飛び移ったり、前でタンバリンをたたいたり、ベースからギターに持ち替えたり、今日は本当に酷使されているよね・・・。
歓声のなか、会場を後にするマリクイーンの肩をやさしく抱き寄せるトレント様に、前方の女子が皆うっとりとしていました。
そしてHurtで幕を下ろした今日の公演ですが、さて、最終日はいったいどんなサプライズが待ち受けているのでしょうか?今から心配になるほどです。


オフィシャルがツイートをアップしています。


昨日のライブの音声がアップされていました。

そしてこちらに25日、26日の演奏の主な映像がアップされています。
http://www.youtube.com/user/518MT/videos



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