nin coast day3

NINのスタジオコースト公演の三日目に行って参りました。


タイのフェスの中止、及び国内2日間公演のソールドアウトに伴い、急遽追加された公演のため、また平日のため、やや少なめの観客での開催となりました。招待されたと思しき外人客が陽気に盛り上がる中、熱心なファンは前方を埋め尽くして歓声を上げていました。
前日に引き続き、アリーの淡々としたオープニング演奏から開始します。アンビエントなチルアウトに会場の雰囲気もやや和らいだ頃、スモークの中をメンバーが登場しました。
能楽の「序破急」ではありませんが、今回3日間のセットは、まさにこの言葉に集約されていると思います。今季ワールドツアー全体の「開始」である、様子を見ながらの手慣らしの初日、サイドプロジェクト(ゴースツ、HTDA)をねじ込んだ荒業の変化の二日目、そして三日目はというと、まさに「破綻」「破格」の日でした。
初日が演奏、演出ともに、やや不慣れな点が見られたのに対し、2日目は客の予想を裏切る挑戦的な演出が見られました。そして3日目はまさに「上手の手から水が漏れる」事態となりました。
セットリストはこちらにアップされています。
http://hesitation-marks.tumblr.com/post/78102678147
http://www.setlist.fm/setlist/nine-inch-nails/2014/shinkiba-studio-coast-tokyo-japan-3bc2a800.html

All Time Low
Sanctified
Disappointed
The Beginning of the End
Came Back Haunted
Echoplex
Various Methods of Escape
Survivalism
Me, I’m Not
The Warning
Copy of A
The Great Destroyer
Find My Way
Only
Beside You in Time
Gave Up
Hurt
1,000,000
The Hand That Feeds
Head Like a Hole

Triple Jのインタビューで、「”it’s going to be a pretty radically different set. It feels much less rehearsed.”(毎晩ラディカルに違うセットで攻めるつもりだ、多少リハ不足でも)」とか何とか抜かしていた通りに、いい感じに破綻が生じていましたよね。ええ。
まず、今晩のテーマであるらしい”Year Zero”からの代表作、”The Great Destroyer”のイントロで、いきなりズレが生じ、前方でプレイしていたメンバーが一斉に茫然とした表情で(マジでうわぁと大口を開けて)トレント様をみつめ、トレント様も「・・・オーケー。ファッキン・ミスティクだ、すまんがやり直す」とスタッフをにらみあげ(こ、怖い・・・)、その後はすさまじい勢いでノイズの洪水を響かせていました。また、肝心の新曲”Copy of A”(日本ファンには「コピオバ」として親しまれ、サビではなぜか大合唱になる曲)では、イントロの歌詞の入りがまたしても曖昧になるという(うまくごまかしたけど)事態が生じました。
先のインタビューを読んでいた時から、もしかしてこうなるんじゃないかなという一抹の不安はありましたが、見事に的中してしまいましたね。何しろワンマンバンドなので、セットリストも構成もすべてトレント様の頭の中だけにあるので、皆に周知徹底するのが大変な部分もあるのでしょうか。
また、今夜は連続公演の3日目ということで、相当な累積した疲労も感じられました。最初の曲から全速力で飛ばして行く上に、曲間のMCや休憩もほとんど取らず、数秒で次の曲のイントロにつなぐという荒業のために、途中からトレント様の声がかすれ、音程も不確かになった場面が多く見受けられました。もうね、見ててハラハラしちゃったよ!倒れたらどうしようと思ったもん。お願いだから途中にゴースツでも何でも入れて休んでよ!
という一部のファンの心配をよそに、あえてアグレッシブに自らを限界まで追い込んで行く鬼軍曹は、完璧なライティングと鉄壁のバンド(まあ途中結構ボロボロ間違えてたけど)を従え、あえて「自らの目指す理想」を追求し続ける、求道者のようなライブを展開するのでした。いやーーーー、見ててほんっとに疲れるったらもう。
でもうれしいけど。
また、レア曲といえば、Echoplexが面白かったですね。今回はこのような、あえて生バンドを使用しない、打ち込み系の曲が多かったように思えます。アイランがあんまり後ろに行かないというか。でもやっぱりベースの音のバランスがいまいちなんだなあ・・・。
今回の映像がまたファンによってアップされています。
http://www.youtube.com/user/518MT/videos


また、イヤーモニターと思しき音源もリークしています。
http://www.reflectinginthechrome.com/shows/2014/20140225.html
今回の失敗も、反省と共に、更に良いライブに練り上げて、オーストラリア公演に向かうのでしょうね。お疲れさまでした。またぜひ日本に来てくださいね。


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