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六本木の東京国際映画祭に行って参りました。


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SN
お目当てはオープニング作品の「ソーシャル・ネットワーク」です。既に来年1月の公開が予定されている作品ですが、ぜひ実際に見たいと思い、チケットを購入しました。
以下は微妙にネタバレもあるかと思いますので、気になる人は読んだ内容を忘れてください。
ストーリーは、ハーバード大の2年生だった主人公マークが、交際中のボストン大の女子学生エリカと、ちょっとした言葉の行き違いからケンカ別れするところから始まります。
エリート学生にありがちな権力志向、特権意識を無意識かつ無神経に見せ付けたマークに、エリカはうんざりして別離を言い渡します。
いや、そういう話じゃないか。この話の端々で、学生の中のヒエラルキー(階級)の存在が明らかになります。要するにフリーメーソンみたいなもんで(違うか)、親の出自やネットワークで、大学内には幾つかの特権階級の派閥が存在しており、その連中が影で大学を支配しているようなのです。そして卒業後も同様のコネクションで暗に成功が約束されています。
管理人はこの辺りである映画を思い出しました。そう、英国の大学内の厳格な階級と社会の不条理をテーマとした映画、「アナザー・カントリー」です。英国が階級社会という事は良く耳にしますが、米国の大学でもそんなつまらん階級差別があったとは!
主人公に対峙するエリート(しかもマッチョ)の双子君たちは、親のコネを使って、学長にマークを訴えますが、賢明なるダンブルドア校長は(違った)もちろんこの坊ちゃんどもの阿呆な寝言を一蹴します。
そして坊ちゃんズは「クソー、オタクで平民のくせにエリートの俺らに楯突きやがって」と高額な訴訟を起こします。この公判のシーンに、ハーバードでの学生時代やネット起業時代の回想が絡んで複雑にストーリーが展開して行きます。
エリカに「軽蔑するわ」と手ひどくふられたマークは、痛飲して憂さ晴らしにつまらない誹謗中傷めいた「全女学生ランク付け」のサイトを作ります。これが男子学生に大受けして、大学のネットは瞬時にダウンして、マークは学校中の注目を集めることになります。
マークの腕に眼をつけた先述の双子のエリート君たちは、特権階級のクラブへの紹介をエサに、マークに、女学生のナンパを目的とした大学のSNSを作らせようとします。
しかし、マークはこれを引き受ける返事をしながら、友人のエドゥアルドに出資させ、全く別のソーシャル・ネットワークを立ち上げます。
SNSはすぐに大評判となり、マーク達はこのサイトを別の大学にも広めていきます。
そしてこのサイトは、ある男の目にも留まることになります。
ナップスターの創立者であるショーンその人です。この口先三寸のチャラ男くんの強烈なカリスマに魅せられたマークは、親友のエドゥアルドを差し置いて、彼の意のままに動くようになります。それも仕方ないか、だってジャスティン・ティンバーレイクが演じてるんだもんね。
ショーンのリムジンから、パジャマにガウンのままのマークが駆け出すシーンなんて、「お前らその以前に何やってたんだ?」と心配になるほどです。
彼らから疎外されたと感じたエドゥアルドは、一時の激情から、口座を凍結してサイトを停止させてしまいます。
ここで生じた損害から、やがてエドゥアルドはショーンから会社を追われることになります。そして、エドゥアルドはその後マークを訴えます。
フェースブックのサイトはやがて100万ユーザーを獲得しますが、その祝賀パーティーの会場で、ショーンは未成年の麻薬使用の現行犯でパクられることになります。
ショーンはかつて、ディスコでマークを口説くためにこう語りました。「俺がサイトを作ったのは、気になる女を振り向かせるためさ」と。権力と金を手にしたマークが、ある店でエリカに出会い、その権力を見せ付けて彼女に認められようとしますが、再び鼻で笑われてしまいます。
俺の権力とは何だったんだ?
俺のサイトは何のためだったんだ?
俺は一体何に勝ったのか?
公判後、ひとり残るマークに、見習い弁護士の女性はこう言います。「あなたは本当は嫌な奴じゃないわ。そういう振る舞いをして見せてるだけよ」と。
マークは、フェースブックにエリカの名前を見出し、彼女に「友達承認」の願いを出します。
そして後に全てが金の力で和解(解決)されたことがテロップで明かされます。
この映画の上映前に、舞台挨拶で主演のジェシーと脚本のアーロン・ソーキンが現れました。ソーキン氏は、フィンチャーが現在映画の撮影中で来られない事を詫び、全ての責は自分じゃなくて主演のジェシーが負うからねと言って観客を笑わせていました。
また、「この作品はSNSという非常に現代的なテーマを扱っているが、自分としては、非常に古典的かつ人間的な手法で書いたつもりだ。嫉妬、愛情、憎悪、別離など」と語っていたのが非常に印象的でした。
エドゥアルドを追い出そうとするショーンの巧言はオセロの佞姦アイゴーのようだし、主人公の嫉妬と劣等感の裏返しは、まさにシェイクスピアの昔から存在する普遍的なテーマそのものです。
ラストシーンに、テロップで「この作品は実在の人物や団体を主題に、脚色を加えたものだ」とする文章が出て思わず噴出しました。きっと、モデルのご本人にしてみれば、「お前ら勝手に話を面白くしてんじゃねーよ!」という感じでしょうか。「俺、女にフラれたくらいで苦労してサイト作ったわけじゃないし」ってね。
なお、フェースブック本社の皆さんは、「映画を見に行っても構わないよん」という特別休暇を与えられたそうです。社長さんはもちろんお一人でじっくり見たんでしょうね。なんとも居たたまれない痛しかゆしのご心境とお察しいたします。
そして、何よりも僥倖だったのは、ドルビーサラウンドの大音響でトレント・レズナー&アッティカス・ロスの音楽を体験できることです!皆さん、これを見逃す手はないですよ。ぜひ来年1月の公開の際は、音響設備の整った会場を選んでご覧ください。
そして問題の「山の魔王の宮殿」は、エリート双子君たちの「手ひどい敗北」を強烈に印象付けるボートのシーンで使われていました。おお、アナザー・カントリー!(まだ言うか自分)
で、本当にエドゥアルドとマークに恋愛感情はなかったの?(ごめんなさいもう言いません)
ソーシャルネットワークのサントラはこちらです:
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しまったあああ、これを見逃したっ!
http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=201


マンソンがハロウィンのイベントに参加しました。痩せたなあ。
http://www.wireimage.com/ItemListings.aspx?igi=460355



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六本木の東京国際映画祭に行って参りました。

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