フジロックフェスティバル3日目に行って参りました。
今回、初日と最終日に見たいアクトが重なるという悶絶するような事態に、二日を休憩日として保留することにしました。一旦帰宅して、翌日に荷物を抱えて再び出直しました。
もちろんお目当てはThe Cureです。前回のフジでの来日時は、まさに20数年ぶりの奇跡の再来日とメディアでも騒然となりましたが、今回は、どうやらフジロックのグリーンを3日連続でダークなフォースで支配するために、なんらかの闇のパワーが作用したに違いありません。
この記事は初日の記事と合わせてお読みください。こちらです。
個人的に、初日のNINで最前列でかなり限界まで燃え尽きてしまったので、大人しく通路で椅子にでも座っていようかと思ったのですが、なんとなく最前列に行けてしまいました。
キュアーの前のはマムフォ―ド&サンズ、そしてヴァンパイア・ウィークエンドという、まさに今が旬のバンドで、会場はびっしりとファンで埋まっていました。それ以前の豚さんの歌のときはかなりの豪雨だったようですが、通り雨が上がってひんやりした空気が心地よく感じられました。
マムフォは最後のグラミーの曲ぐらいしか聞けなかったのですが、ヴァンパイアは個人的に大ファンなので、ついつい気合いを入れてモッシュピットで待機しました。
おなじみの素敵な花柄の幕が掛かり、ファンファーレとともに一陣の爽やかな疾風が吹き抜けていきました。
冒頭の「カズン」からの疾走感たるや、まさにジェットコースターのようです。よく通るヴォーカルが、軽妙なアンサンブルとともにモッシュピットを沸かせます。まさに必殺ダンスバンドですね。大ヒット曲の「ホチャータ」では、キーボードが「フジのみんな、簡単だからコーラスして!」と場を盛り上げました。
ヴァンパイアが笑顔とともにステージを去ると、モッシュピットはプールの底がぬけたように人が流出し始めました。一瞬にしてぽっかりと空洞があき、おかげで前に行くことができましたが、一抹の不安がよぎりました。どうするよ、この前の来日より客が少なかったら?
しかし、次第にセットが組みあがるにつれて、会場はぼちぼち埋まってきました。ヴァンパイアのセットよりもはるかに前方に漆黒の雛壇を作り、「この場所を死んでも動かないぞ!」という謎のオーラを放つセットに、とんでもない量のスモークが(ステージで遭難するレベルの)吹き上がりました。しかも煙が臭いの。ゲホゲホしながら涙目で開場を待っていました。なるほど、吸血鬼の後はラスボスのモンスター登場ですか。
やがて、Plainsongの冒頭の夢幻的なカリヨンの音とともに、メンバーのシルエットがステージに現れました。メンバーがイントロを演奏する間に、ロバスミはステージ袖で会場のファンを見回していました。そしてマイクに近づき、あの唯一無二の声で語りかけます。「暗闇にようこそ、一緒に僕らの森へ行きましょう」
こちらにファンによって当日のセットリストがアップされています。
http://www.setlist.fm/setlist/the-cure/2013/naeba-ski-resort-niigata-japan-53c683e9.html
The Cure : Fuji Rock Festival 2013
- Plainsong
- Pictures of You
- Lullaby
- High
- The End of the World
- Lovesong
- Push
- In Between Days
- Just Like Heaven
- From the Edge of the Deep Green Sea
- Prayers for Rain
- Sleep When I’m Dead
- Play for Today
- A Forest
- Bananafishbones
- The Walk
- Mint Car
- Friday I’m in Love
- Doing the Unstuck
- Trust
- Want
- Fascination Street
- The Hungry Ghost
- Wrong Number
- One Hundred Years
- Disintegration
Encore:
- Dressing Up
- The Lovecats
- The Caterpillar
- Close to Me
- Hot Hot Hot!!!
- Let’s Go to Bed
- Why Can’t I Be You?
- Boys Don’t Cry
- 10:15 Saturday Night
- Killing an Arab
どうですか、このとんでもないバイタリティーは。いくら連中が不老不死のモンスターだとは言え、我々、聞く側の体力も少しは考慮してほしいものです。
しかし、ファンの習性の悲しさからか、目の前にロバスミがいることと、日頃CDやYouTubeでしか聞けない、あのひねくれたサウンドがPAからあふれ出してくる嬉しさに、イントロのワンフレーズだけで狂喜乱舞する我々でした。
前回の来日時は4人編成で、キーボード不在のため、どうしても音の層が薄くなり、不満が残りましたが、今回はキーボード参加で、安心して聞いていられました。彼は途中ヒマになると、ニコニコしながら会場を見回していました。気を抜きすぎて、多少タイミングがアレだった場面もあるようですが・・・。
ロバスミは、前回はアクセサリーが満艦飾のチュニックでフォークロア・ティストのファッションでしたが、今回は装飾は細いビーズの2連ネックレスだけで、フードつきのパーカーとジーンズというシンプルな装いでした。おなじみのふわふわのヘアスタイルは、ややグレイがかってヴォリュームが少ないように見えましたが、あの印象的なメイクはそのままでした。いやマジでスクリーンに大写しになるとなんの肝試しかと思った。
ロバスミは、ギターの弦を何本もブッチ切ってローディーに取り換えさせるほどの熱演で、悩ましく身をよじり、発情期のネコのような裏声を出し、ため息をつき、怨念をこめ、そして自分ひとりの世界への賛歌を歌い上げます。
なかでも、私がキュアーで一番好きな曲である”Want”は鳥肌が立つほどの名演でした。
NINの”Something I Can Never Havre”にも通じる、かなわぬ夢と渇望の叫びを、しぼりだすような声で熱演しています。前回のライブでは演奏されなかった、本当に聞きたかった曲でした。おかえりなさい、ロバスミ!
途中メンバーはDisintegrationで一旦ステージを去り、やがて観客の歓声にこたえるように笑顔で戻ってきました。「長くなるよ、いいの?」という風にいたずらっぽく笑い、再び楽器を取り上げます。なかでも、Lovecatsのくねくねニャンコダンスはまさに鼻血が出そうでした。宙に向けてブチュッと投げキッスを送り、ファンの悲鳴に微笑み、オペラ座の怪人みたいなキャラなのに中身はまるで思春期の少年じゃないか、君は!
その直前の韓国公演と同様に、キリング・アン・アラブで幕を閉じたキュアーのセットですが、メンバーが皆帰ったあとで、ロバスミはにこやかに上座、下座それぞれに深々とお辞儀をして回りました。「サンキュー、シーユー・・・スーン」
気が付けば、時刻はすでに深夜12時半を回っていました。ライブは3時間強の大長編となりました。日本でのキュアーの現在のファン層を思うと、単独公演はなかなか難しいものがあるでしょうから、このようなフェスの形式が一番ふさわしいのかも知れませんね。
そして、足をひきずりながら戻るフジロッカーズは、誰ともなく、キュアーのヒット曲を鼻歌で歌いながらゲートへと帰っていきました。おやすみなさい、どうかよい夢を。またいつかこの苗場で逢えるといいですね。
こちらにライブの写真があります。
http://fujirockexpress.net/13/?p=7503
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NINのフジロック公演のフル映像がETSファンの熱意と努力によって発掘されました。こちらに関連リンクがまとめられています。
http://www.reflectinginthechrome.com/
また、韓国のフェスではドラゴンタトゥーのインスト曲なども演奏されたそうです。
http://www.setlist.fm/setlist/nine-inch-nails/2013/daebu-sea-breeze-theme-park-ansan-south-korea-43c6834f.html
NINのアルバムはこちらです。
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Hesitation Marks (Deluxe Edition) – ナイン・インチ・ネイルズ
マンソンのスプーキー当時のインストアイベントの映像がアップされています。
マンソンが歌詞を投稿しています。カバーした曲のもののようです。
https://www.facebook.com/MarilynManson/posts/10151828435390815
Marilyn Manson
“It’s a sad disease that divides us, and keeps us all apart. ”
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